老後の住まいの選び方を解説|選ぶ際のポイントや住み替えタイミング
目次
「老後の住まいにはどのような選択肢があるのか」
「住まい選びの基準や住み替えのタイミングは」
老後の住まいについて、上記の疑問を持たれる方も多いかと思います。老後は、高齢者向けの住宅で安心して暮らしたいものです。
当記事では、老後の住まいの選択肢についてや選ぶ際のポイント、住み替えのタイミングなどを解説しています。これから老後の住まいについて検討されたい方は、ぜひご覧ください。
現在の場所に住み続けるケース
老後の住まいの選び方は主に3通りあります。1つ目は現在の場所に住み続けるケースです。現在の場所に住み続けるケースについて以下を解説します。
・現在の場所に住み続けるメリット
・建て替えやリフォームが必要になる場合がある
現在の場所に住み続けるメリット
現在の場所に住み続けるメリットは、これまでの人間関係が継続できることです。住み慣れた土地で、周囲の住民とよい関係性があれば暮らしやすいことでしょう。
また、荷造りや届出など転居に関する手間が無いこともメリットです。
転居先では新しい環境であるため、外出が減ることでの運動不足による体力の低下も懸念されます。
建て替えやリフォームが必要になる場合がある
戸建ての持ち家に住んでいる場合、建て替えやリフォームなどが必要なケースがあります。
若いうちに建てた家が、年齢を重ねると共に住みにくくなってくるおそれもあります。
たとえば、建物内に段差が多い場合や階段に手すりが必要になったなどです。その場合、バリアフリー化のリフォームが必要となります。
また、建て替えやリフォームでは、家具の移動や仮住まいの用意などが必要です。
介護施設を利用するケース
老後住まいの選び方の2つ目は、利用するケースです。介護施設に入居するケースについて以下を解説します。
・介護施設とは
・介護施設のメリット
・介護施設のデメリット
介護施設とは
介護施設とは、介護職員に生活で必要な介護を受けながら生活できる施設です。介護施設には、主に民間施設と公的施設の2つがあります。
民間施設・公的施設共に、受けられる介護はおおむね同じです。民間施設は、比較的費用が低めですが入居希望者が多いため入居が困難な傾向にあります。
一方で民間施設は、費用は比較的高額な場合が多いものの、サービスが充実しているなどの特徴があります。
介護施設のメリット
介護施設に入居するメリットは以下の通りです。
- 介護施設に入居するメリット
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- 専門家の介護が受けられる
- 家族の介護負担が減る
- 施設に入れば他の入居者と知り合える
- 自分で食事などの家事をする手間が減る
専門家の介護を受けることで、家族の負担も減り安心して暮らせることでしょう。介護施設では、24時間介護により緊急時でも素早い対応が可能です。
介護施設では、レクリエーションなどのイベントがあります。また年代の近い入居者と知り合えることで、新しい趣味が増えるなどよい刺激を受けるかもしれません。
介護施設のデメリット
介護施設におけるデメリットは以下の通りです。
- 介護施設に入居するデメリット
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- 思いの他費用がかかることがある
- 集団生活がストレスと感じる方もいる
- 生活の自由度が低い
- 施設により入居待ちがある
- さまざまな入居条件がある
施設によっては、入居時に数千万円かかる場合があるなど、必要な費用はさまざまです。施設内では、他の入居者と生活するため集団生活がストレスと感じてしまう場合があります。
また、スケジュールに従い生活することで自由度が少ないと感じるかもしれません。介護施設の入居には、必要な介護の度合いなど施設によってさまざまな入居条件があります。
高齢者向け住宅に住むケース
老後住まいの選び方の3つ目は、高齢者向け住宅に住むケースです。以下に、高齢者向け住宅に住むケースについて解説します。
・高齢者向け住宅とは
・高齢者住宅のメリット
・高齢者住宅のデメリット
高齢者向け住宅とは
高齢者向け住宅とは、バリアフリー化された建物や安否確認サービス付きなど、自立した高齢者が生活するための住宅です。高齢者住宅はあくまで、「住まい」の提供が目的である点が介護施設と異なります。
そのため、交わす契約は介護施設のような利用権契約ではありません。高齢者向け住宅で交わすのは、賃貸借契約や売買契約です。
近年では外部の介護サービスと連携した高齢者向け住宅も増えており、介護に関して柔軟に対応できるようになってきています。
高齢者住宅のメリット
高齢者住宅に住むことのメリットは主に以下の通りです。
- 高齢者住宅のメリット
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- 安否確認や、コンシェルジュなど、安心のサービスがある
- 住宅によっては娯楽やトレーニングジムなどが利用できる
- 購入型では資産価値がある 生活の自由度が高い
- 要介護者認定が必要ない
高齢者住宅は、安否確認やコンシェルジュなどがあり安心です。自立した高齢者が対象のため、要介護者認定などがなくても入居できるうえ、外泊可能など自由度の高い生活ができます。
近年人気のシニア向け分譲マンションでは、温泉やレストランなどの施設が充実していることが特徴です。賃貸ではないため、相続や売却ができるなど資産性があります。
高齢者住宅のデメリット
高齢者住宅に住むことのデメリットは以下の通りです。
- 高齢者住宅のデメリット
-
- 費用がかさむ場合がある
- 物件数(物件の選択肢)が少ない
- 賃貸では資産性がない
- 介護が必要な場合は、退去もしくは別途契約が必要
サービス付き高齢者向け住宅など賃貸の場合は、資産性がありません。
所有権の付くシニア向け分譲マンションは、資産性がありますが比較的費用が高額な傾向です。また、シニア向け分譲マンションは物件数が少ないため地域によっては選択肢が少ないおそれがあります。
高齢者住宅は自立した高齢者が対象です。そのため、介護が必要になったときは退去を迫られる場合があります。
しかし、外部とのサービス連携により終身の入居が可能な物件もあります。
老後住み替えのタイミング
高齢者が住み替えをするタイミングの例は以下の通りです。
・現在の住居の老朽化、生活の不便さを感じたとき
・現在の立地や環境に不満があり他の地域に住みたい場合
・収入や資産面に問題がないうちに住み替える
・体力があるうちに住み替える
・子どもが巣立ったタイミングで住み替える
住居の老朽化のケースでは、建て替えの選択肢もあります。しかし、より好立地を求め引越しするのも一案です。
住み替えには費用や体力が必要なため、早めの計画を立てることをおすすめします。
老後の住まいを選ぶ際に考えること
老後の住まい選びのポイントとして以下を解説する。
- 老後の住まい選びのポイント
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- 介護が必要であるか
- 快適に過ごせる住まいか
- 立地条件はよいか
- 予算に無理がなく資産価値があるか
- 生活が楽しめるか
- 安全性が高いか
介護が必要であるか
老後の住まいを選ぶ際には、介護の必要性があるかを判断することは大切です。介護の必要性があれば介護施設、もしくは外部の介護サービスと連携できるシニア向け分譲マンションなどを選びましょう。
自立して生活できる場合では、緊急時の対応や安否確認サービスが受けられる住まいであればより安心です。
快適に過ごせる住まいか
老後の生活を充実させるためには、快適な住まいであるかは重要です。介護が必要でなくても、食事や洗濯を毎日するのが困難な場合があります。
その場合、日常の手助けをしてもらえるサービスがあると便利です。また、バリアフリー設計であることや、部屋が手の行き届く適切な広さであることも考慮しましょう。
立地条件はよいか
立地条件はよく検討した方がよいでしょう。交通のアクセスや病院、スーパーが近くにあるなどの利便性の良さは重要です。
周辺に坂や階段が多いなど、移動の際に体への負担が多いと外出がおっくうになるため周辺の環境も考慮した方がよいでしょう。
また子どもなど、家族との距離も検討に加えることをおすすめします。同居はできなくても、近居であれば何かと助かることも多いことでしょう。
予算に無理がなく資産価値があるか
老後の住まいを選ぶ際に、予算に無理がなく資産価値があるかは重要です。必要な予算では、たとえば以下の例が考えられます。
・購入資金の額は適切であるか
・家賃やローンは支払っていけるか
・引越しや家具買い替え費用などもかかる場合がある
資産や老後の収入などをふまえ検討しましょう。現在の住まいを売却することで資金がまかなえることもあります。
生活が楽しめるか
老後の暮らしを充実させるためには、生活が楽しめなくてはなりません。生活を楽しむことは、認知症予防や健康維持の面でも役立ちます。例は以下の通りです。
・庭や・ベランダなどがあることで、花壇や菜園を楽しめる
・コミュニティスペース・運動・娯楽場があるか
・人間関係が築けるか
草木の世話をすることは、癒しになり適度な運動にもなります。
老後の生活充実において人間関係は重要な要素です。高齢者向け住宅や施設に住むことで、同年代の知り合いができることもメリットです。
シニア向けの分譲マンションなどでは、温泉や娯楽施設など生活を楽しむための施設が充実しています。
安全性が高いか
安全性の高さも重要です。ポイントは以下の通りです。
- 安全性の重要ポイント
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- バリアフリーである
- セキュリティ対策がある
- 建物の耐久性、火災対策等
老後の住まいでは、バリアフリーであることは重要です。また、戸建てであればホームセキュリティへの加入、マンションであれば管理人がいるなど防犯対策があると安心です。
活動的な老後を望むシニアが増えている
高齢者の中には運動や趣味、習い事などに意欲的に取り組むアクティブシニアと呼ばれる方が増えています。アクティブシニアは、年齢にとらわれず活力ある生活を送っています。
シニア向けの分譲マンションなどでは、充実した老後を楽しむための施設やサービスが充実しており、アクティブシニアにはおすすめです。介護施設と違い、生活の自由度が高いため自宅に来客を泊めたり旅行も自由に楽しめます。
まとめ
老後の住まい選びは、まず介護の必要性を考慮する必要があります。自立して生活できる場合でも、バリアフリーであるなど高齢者が生活しやすい環境であることが大切です。
また、生活を楽しめることも重要であり、施設やサービスの充実したシニア向け分譲マンションの需要は今後増えることでしょう。
当サイトでは老後の住まいについてさまざまな解説をしています。他の記事もぜひご参考にしてください。